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指揮者と企業のリーダー・・・似てるけど根本的な差がある
高校の先輩で指揮者の小松長生さんが書かれた本です。
面白かったです。
指揮者の仕事というと、素人にはコンサートホールでオーケストラの前に立って指揮棒を振っている姿しかイメージがつかないと思いますが、実際には、そこに至るまでの部分が仕事の大半なのです。
指揮者は徒手空拳で指揮をするわけではありません。
スコア(総譜)という作曲家の意図を形にしたものを持っています。
これはオーケストラの楽員もパート譜という形で共有しています。
つまり、大まかな方向性は楽譜という情報で共有しているわけです。
ですが、それをどのような形で音楽にまとめていくのか、ということを考え、示すのは指揮者の役割です。自分が作り上げたい演奏とはどのようなものが、そのための肝はどこか、それに対して各楽員はどのように演奏して欲しいか、ということを明確に示します。

これ以上は是非本を読んで頂いたらと思うのですが、上記のことは企業の経営においても同じです。
○○業というくくり方をすれば同じ業界に入る企業でも、どのような会社にしたいか、という経営者の意図によって事業展開は変わりますし、会社のイメージも内容も変わってきます。
この経営戦略や方針を立案し、社員に示すということが経営者の仕事の一つです。
一組織のリーダーであれば、自らが率いる組織の目標とそれに至るための戦術を明確に示し、メンバーにその実行を促すことになります。

知識労働に関わる組織の形態として、ドラッカーさんは3つのパターンがあるとしています。
(1)野球型
(2)サッカー型
(3)テニスのダブルス型
です。
この中の2つめについては、オーケストラ型という場合もあります。
オーケストラという組織と指揮者の存在は企業組織に類似していると考えておられたようです。
小松さんの本でも、冒頭から、オーケストラの指揮者というのは企業の経営者や管理者という立場と共通する部分が多いと書かれています。

ですが、オーケストラと企業組織には決定的な違いがあります。
それは、

プロとアマチュア

という違いです。
ここで言うところのオーケストラは基本プロフェッショナルのオーケストラです。
指揮者(経営者)もプロだし、楽員(社員)もその道のプロというわけです。
さて、このようなプロの経営者とプロの社員が集まった会社って、一体どれだけあるのでしょう?
決して多くはないように思うのです。
社員はほとんどがアマチュア、経営者もプロとは言えないケースが多いのではないでしょうか。
オーケストラに置き換えると、プロの指揮者が学生や社会人のアマチュアオーケストラを指揮するような感じか、素人の指揮者がアマチュアオーケストラを指揮しているという感じになるでしょう。

その意味では、会社組織もプロとプロの集団になるということを明確な目標として設定しておくべきなのだと思います。
先日、小松さんが指揮をしたコンサートを聴く機会がありました。
60名ぐらいの小ぶりな編成で、第一バイオリンは2人ずつで5列の計10人というサイズです。
コンサートマスターは若くてエネルギッシュな感じですが、最後列の5列目にそこそこお歳を召した男性奏者がおられます。この方は一体どんな人なのだろうと思い、小松さんに伺うと、

あ、彼はね、ある中堅オーケストラのコンサートマスターを定年でお辞めになって、ここに来てくれた方なんだよ。
技術も凄くてね、若い連中が何かあるといつも彼の所に教えを請いに行っているよ。
大体ね、バイオリンの後ろの方で演奏するのは実はとても難しいんだよ。ステージ上でも音は遅れて聞こえるから、きちんと合わせるにはそのことも考慮しないといけないけど、先走ってもいけないし、若い人はあたふたするんだよ。
それをサラッとやってのけてくれるし、そこそこのオケのコンマスだったなんていうことをひけらかすこともなく、紳士的だし、演奏にも真摯だし、素晴らしい方だよ。

ということを教えて下さいました。
定年退職された方を再雇用したり、定年前の方をスカウトしてきたりする会社も沢山ありますが、このような立ち居振る舞いをしてくれる人に出会う確率は高くないようです。
その点からも、オケとは違って、企業の場合は社員自身がプロとは言えないケースが多すぎるのでしょう。
経営者もプロになる、社員もプロになる、プロとプロがお互いを尊敬し、信頼し、持ち場をわきまえて自らの役割を果たす、そんな組織は強い組織だし、高い成果を上げる組織だと言えます。

こう考えると、小松さんの本に書かれているリーダーシップのあり方はプロとプロの組織でのリーダーシップの一形態というように捉えるべきだと思います。
ここに至るまでの段階でのリーダーシップのあり方についても学んでおく必要があるでしょう。
リーダーシップはワンパターンではありません。
ワンパターンでは上手くいかなくなります。
組織の成熟度、構成員の能力と意欲などによって有効なスタイルが変わるというのが現在の常識です。

プロとプロが仕事をする組織を作るために、経営者は知恵を絞り、自分自身が勉強し、採用するスタッフを見極め、切磋琢磨する組織を作っていけたら、面白いでしょう。
それを上手く進めていくためにもその段階毎に応じたリーダーシップのあり方を学ぶ必要があるのです。
指揮者はお客に背を向けている時間がほとんどです。
そのことを気にする、あるいは問題視する方もいるかもしれません。

もし、経営者や経営幹部の方がこのような疑問を持たれたとしたら、是非、自問自答して下さい。
ご自身は本当にお客の方を常に見ていますか?
お客からの評価を常にフィードバックされていますか?
フィードバックされた内容を経営にきちんと活かしていますか?

また、楽員と同じ立場にある社員は、楽員のように指揮者だけではなく、お客の様子もきちんと見ていますか?
そこから得られたことを指揮者にフィードバックしていますか?

さて、これに対して、十分に実行できていると答えられる経営者はどれ位いるでしょうか?

お客に背を向けている指揮者がどのように評価されるかについては、ご紹介した本の中に具体的に書かれていますので、是非、ご一読なさっては如何かなと思います。
| ドラッカー | 08:08 | comments(0) | trackbacks(1) | pookmark |↑PAGE TOP
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