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独占企業と限界的存在
ある程度の規模に成長した企業が自社のポジションを認識するために様々な指標を活用しますが、その中の一つに、

シェア(マーケットシェア)

があります。
シェアが高ければ高いほど、自社製品の利用率が高まり、販売数量の読みもしやすくなり、経営としては安定するでしょう。
PPM(Product Portfolio Management プロダクトポートフォリオマネジメント)という考え方でも、スタートアップ期の企業が目指すべきことは、とにかく相対的マーケットシェアを高め、その状態を維持して花形(Star)になることだ、と言われます。
そのシェアを維持し続けたまま、市場が成熟して魅力度が相対的に低くなっていくと、ポジションとしては花形から「金のなる木」にシフトしていきます。
逆にシェアを獲得できず、花形になれなかった場合は、「負け犬」となって市場から消えていく運命にあります。
こんな考え方からも影響を受けるわけですが、シェア、という指標はかなり重要なものとして扱われています。

先述したように、シェアは低いよりは高い方がいいに決まっているわけですが、

どのくらいのシェアだったらいいのか?

ということが次の疑問として浮かびます。
仮に、シェアが100%だったとしましょう。
この状態は平たく言えば「独占」ということになります。
でも現実的にこのような状況にあるケースはほとんどありません。
より現実的なシェアの考え方として、ランチェスター戦略では

73.9%を超えたら独占

というように定義されていますから、このぐらいのシェアであればほぼ独占ということになるわけです。
こんなシェアが獲得できたらいいよなあ、と感じる経営者は少なくないでしょう。
自社が扱うジャンルの製品を持っている人を見たら、ほとんどの場合自社製品を持っていることになるわけですから、経営者としては気分はいいでしょう。
でも、この独占状態というのは、実は極めて危険な状態なのです。
電電公社、専売公社はもちろんのこと、今、福島原発事故で問題になっている東京電力をはじめとする電力会社も典型的な独占企業の例です。
NTTになる前の電電公社の職員の動きや電力会社の考え方って、一般大衆からすると理解不能なほど非常識なものだったりすることがありませんか?
競争がないわけですから、自社の論理だけで物事を進めても問題が起きないわけです。
福島原発の事故に関する東電の対応、特に情報を小出しにしたり、隠蔽ではないか、と言われるような行動をとるのは、顧客の側を向かずに、社内や政府、行政機関の側を向いて仕事をすることが普通になっているからなのだと思います。

ドラッカーさんはこのような状態のことを

限界的存在

と呼び、極めて危険な状態だと指摘しています。
ここでの「限界」の意味は

成長が限界に達している

という意味で使われています。
要するに、独占状態になると経営は安定させやすいのかもしれないが、今以上の成長を望むことは難しくなるわけです。
これは視点を変えるとちょっとしたことをきっかけとして簡単にジリ貧に陥ってしまう危険性が高いということになるのです。
そりゃそうです。
競争がないわけですから、新商品や新サービス、新技術を開発する必要などないのです。そんな状況ではそのうち顧客にも飽きられてしまいます。
でも、他の会社から買いたくてもそんな会社がないので、顧客の方も仕方なく購入し続けざるを得ないから潰れはしないのです。
もしそこに競争相手が出現すると潰れてしまうかもしれませんが、逆に、そんな技術やサービスをそんな低コストで提供できたんだなあ、と思うような展開になることもあります。
電電公社がNTTになったことで電話料金が安くなったり、ネット関連の新サービスが拡充したりというのはその典型例と言えるでしょう。
でも、独占状態にある企業はそのような外圧がかかるまで、「自分たちが限界的存在になっている」という認識を持てないことが多いのです。
東電だけでなく、電力会社、ガス会社などは自社が限界的存在になっていないか、ということを常に念頭に置く必要があると思うのですが、果たして経営陣にそんな感覚があるのかどうかは微妙なところです。

限界的存在にならず、自ら競争環境に身を置くことで、自社を成長させるだけでなく、市場自体を成長させることができるということも意識するべきです。
競争環境に置かれることはしんどいことですが、その中にいることで自らが磨かれ、マーケットサイズも拡大させることにつながれば、結果として手に入れられる成果も拡大するのです。

限界的存在になり、内向きの組織運営、内向きの仕事の仕方でよし、ということにならないようにしなければなりません。
闇雲にシェアを伸ばすというようなことばかりを追求してしまうことは、極めて危険な状況に自ら追い込んでしまう可能性があるということを認識しておくことが大切です。
| ドラッカー | 08:08 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |↑PAGE TOP
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